【民事】インターネット権利侵害の実務-削除請求・発信者情報開示請求・誹謗中傷・炎上

 インターネット上の権利侵害事案については、今や大きな社会問題になっています。
 弁護士が間に入る形での裁判・交渉対応が必要となってくることも多く、常に最新の知識をアップデートして事案に取り組むことが重要となっています。

 弁護士・裁判官らによる充実した実務書が多数出版されております。
 私がこれまでに接した著書等をまとめます(順次更新予定)。

インターネット権利侵害に関する実務書

[改訂版]ケース・スタディ ネット権利侵害対応の実務ー発信者情報開示請求と削除請求ー
(清水陽平=神田知宏=中澤佑一著)(新日本法規、2020年)

 豊富な書式・実例が掲載され、具体的事例について対応方針・業務フェーズ等が記載されています。
 まずはこの書籍にあたって、さらに他の書籍・裁判例等で掘り下げていく、という使い方が一例として有用と思われます。

インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル[第3版]
(中澤佑一著)(中央経済社、2019年)

 豊富な問題について具体的・充実した記述があります。
 個別サイト別の対応についてもかなり具体的・充実した記載があります。
 本書籍の内容を理解して事案に取り組めば、応用的な問題についても対応可能なのではないかと思います。

サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル[第3版]
(清水陽平著)(弘文堂、2020年)

 上記各書籍に比べると、より一般の方向けの書籍の印象があります。
 個別の論点についての解説も丁寧で、つい当然の前提としてしまいそうな点についても分かりやすく解説されています。そのため、個別の論点についての理解をより深めることができます。
 実務家にとっても参考になる記述が多数なされています。

ネット中傷対策実務の基礎(日本弁護士連合会編『平成30年度研修版現代法律実務の諸問題』所収)
(清水陽平著)(第一法規、2019年)

 上記書籍の著者から、インターネットにおける誹謗中傷に関する実務について、口語体で分かりやすく平易に解説されています。
 各サイトの対応等のいわゆる「相場観」や、手続を進める際の注意点など、実践的・実務的内容が多数記載されており参考になります。

インターネット削除請求・発信者情報開示請求の実務と書式
(神田知宏著)(日本加除出版、2021年)

 簡にして要を得た記述が特徴で、トピックごとに簡潔な解説・書式が掲載されています。
 事案対応にあたる際に知りたいことが書かれており、スムーズな事件処理を行うためにも非常に有益な書籍です。

インターネット関係仮処分の実務
(関 述之=小川 直人編著)(きんざい、2018年)

 インターネット権利侵害事案においては、仮処分等の裁判手続が必要となることも多いです。
 本書籍は、裁判官が執筆を担当しており、裁判所の考え方、仮処分の実務等を把握するために有用です。

インターネットの権利侵害 削除請求・発信者情報開示請求後の法的対応Q&A
(深澤諭史著)(第一法規、2020年)

 発信者情報開示請求の結果、発信者が特定できた後に、実際にどのような交渉を行えばよいか、現実的な被害回復までの流れ等が分かりやすく記載されています。

インターネット・SNS法務対応に関する実務書

SNSをめぐるトラブルと労務管理〔第2版〕―事前予防と事後対策・書式付き─
(村田浩一=大村剛史=高亮=渡辺雪彦著)(民事法研究会、2021年)

SNSをめぐる企業内のトラブルを事前に予防するための書式・規程類の整備、事後的対応の注意点等について記載されています。

インターネット・SNSトラブルの法務対応
(深澤諭史著)(中央経済社、2020年)

企業が当事者となるインターネット・SNSトラブルに関する実務的対応について豊富な記載があります。

弁護士 社会福祉士 宮腰英洋(宮城・仙台)